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BKライディングスクールでイントラデビューしてきました

初めてのスクール外部講師

BKライディングスクールは静岡県の白糸スピードランドで開催されているサーキット入門者向け、フルレンタルのライディングスクールです。今年16年目の開催とのことで、もはや「伝統ある」と言っても良いのかもしれません。詳しくはリンク先をご覧ください。

すでにこのスクールで2~3年ほどイントラをしている友人からの紹介で、今回初めてイントラを務めさせていただくことになります。

私はこれまでの仕事で数々のスクールのイントラや運営を行ってきており、同様のサーキット入門者向けスクールも10年ほどやっておりますが、基本的に主催する側なので、今回のように「外部から講師として入る」というのは初めてです。仕事としては、運営とイントラを両方やるこれまでよりも、イントラに専念出来て良いようにも思います。しかし、主催者ごとにライディングや教え方の方法も異なりますので、しっかりその考え方を理解して外れないようにしていかないといけないという難しさはあると思います。また、段取りやアドバイス方法なども、口頭で聞いただけではなかなか掴み切れないものです。

何より、走ったことのない初めてのコースですから、コースの使い方から走行ライン、攻略や注意ポイントも全部わからない💦 私はバイクに関してはそれほど多くのコースを経験しているわけではないので、すぐに適応できるだろうかという不安など、様々なプレッシャーがありました。

同時に、「そんな状態で講師していいの?」ということもあり、さすがに「一度走りに行っておこうか・・・」という考えもよぎりました。しかし内容を聞いた限り、あくまでもライディングの基本を練習することや「膝擦り」が中心で、コース攻略指南やタイム短縮のための特訓というわけではないようで、「問題ない」とのことだったので、当日頑張ることにしました。そんなわけで、なかなかの緊張感の中でその日を迎えることになります。

前日移動

栃木県から富士宮市へ250km、グーグルによれば4時間半くらい。午前6時集合ということなので、当日移動だと1時出発!?そんなのムリムリなので、前泊です。今回は紹介してくれた友人と二人で行けるので、交通費節約、運転も交代できるし、一人で行くよりは数倍楽でしょう。

前日の14時半、出発!

雨の中走ること6時間。時間の余裕もあるので節約で下道も使いつつ、富士宮到着は20時半でした。夕食をとってからホテルにチェックイン。

旅行気分でご当地物を食べたり、ホテルから飲みに出たりしたい気もしていましたが、強めの雨が降っていたし、何より前述の緊張感の中でそんな余裕もなく、手軽に「かつや」で済ませました。安い舌の持ち主である私にとっては大変おいしいかつ丼で大満足でした👍

開催当日

朝5時20分にホテルを出て、5時50分頃に白糸スピードランドに到着。

天気予報は晴れ、最高気温は20℃という好コンディションが期待されますが、前日の雨の影響でまだまだウェット路面、そして霧です。とはいえ雨が降っていないのは本当にありがたい。

まずはコンテナから20数台のバイクを引っ張り出します。これが文字通り「引っ張り出す」必要があり、なかなかの肉体労働💦 「汗をかく」と言われていましたが、気温はまだ10℃程度、さすがにこの気温なら大丈夫・・・と思いきや、本当に汗をかきました。もっと暑い季節だったらヤバいですね。

そしてそこからまず「エンジンをかける」というミッションがあります。古くてボロイ(他人のバイクに失礼ですが)ので、エンジンがかからなかったりアイドリングしなかったりです。本当に「このバイク走るの?」というレベルなのですが、それでこその参加料金設定と言えるでしょう。

エンジンがかからない車両は押し掛けしたり引っ張ったり。そして不具合のある車両の修理、タイヤ交換など、怒涛のように作業が続きます。そんなに整備スキルがあるわけではないので、これはなかなか大変💦

7時半を過ぎるとぽつぽつとお客様が到着し始め、8時15分に受付、8時半から開講となりました。整備のほうは、ちょうど2日前に同スクールがあったばかりのため、意外に問題のある車両は少なく、この日は楽な方だったようです。私も途中、「タイヤの皮むき」を兼ねてコース慣熟をすることができました。

ここからはオリエンテーションと座学タイムということで、スタッフとしては一日の中で唯一ゆっくりしていられる時間帯ということのようです。

練習開始

いよいよ走行開始。初めの練習課題は「ステップワーク」。立ったり座ったりハングオンしたり片手離したりしながら、ひたすら左右に切り返す練習です。これはしっかりやると相当足に来ますね。こういう練習方法はやったことはなかったですが、趣旨は分かりますので、ところどころアドバイスなどさせてもらいました。

このころになると路面もほぼ乾いて日差しも出てきました。富士山が目の前に見えて、素晴らしいロケーションです。この時間帯はコースに出っぱなしになるので、「しまった!日焼け止めをつけ忘れた!」そして「ジャンバー着てきたの邪魔!」で失敗したと思ったのですが、それもつかの間、富士山はまた雲に隠れてこの後出てくることは無く、再びジャンバーを着込んでちょうど良い気温に下がっていきました。

2つ目はオーバル練習。コースの一部分を使って、左回りをひたすら繰り返す中で、フォームや操作を練習します。ここでは「ムリ膝」でいいからとにかく膝を擦ってみようというのが練習課題でした。各グループ左回りが終わったら右回りに切り替わります。最初の課題から思っていましたが、Aグループ(経験者)はほとんどアドバイス必要ないレベルでした💦

一方でB、Cグループは転ぶこと転ぶこと・・・これは参加者の皆様が、このスクールの大きな売りである「レンタルバイクの修理費請求無し」を最大限に活用して、思い切ってチャレンジされているということです。低速ですから大事には至らないのですが、それにしても転倒の滑走音を立て続けに聞くのは良い気分ではないですね💦

ここで昼休みなんですが、午前中ちょっとスケジュールが押したということで、休憩時間が15分💦 食事とトイレと革ツナギへの着替えも含めて15分はかなりハードです。 参加者は他のグループが走行している間休めているので、実質45分程度の休憩が取れていると思います。

午後の最初はショートコース練習。ここで初めてツナギを着た状態でちゃんとコースを走ることになります。ショートコースのレイアウトはちょっとややこしいので、最後尾について勉強させてもらいましたが、Aグループだとはじめついていくのがちょっときつかったです💦 一応、数周で感触がつかめてきました。ショートコースは切り返しが多く、ステップワークの練習になるしオーバル練習より加減速もしっかり練習できますね。イメージとしては少しハイスピードなスラロームコースという感じです。

ショートコース練習の間は基本的には先導するということで、B、Cグループでは参加者の前に入っての先導走行を行いました。サーキットの先導は他のスクールでもやっていますが、離れすぎても近すぎてもいけないわけで、後ろにいる参加者のペースを見極めて、ちょっと速いペースを作らなくてはいけないのです。しかし慣れないコースということもあり、これがなかなか難しかったです。もう少し経験を積めば、「後ろを確認する場所」や「追いつかせる場所」などがつかめてくるかなと思います。

その後のショートコース2巡目の練習は「片手運転」という課題になり、その間はピットで質疑応答やコミュニケーションをしつつ、一息つくことも出来ました。

最後はフルコース走行。

白糸スピードランドのコースレイアウトに沿った走行経路で走ります。イントラはショートコースの時と同じく、先導がメインとなるとのことです。またしても、朝に慣熟したのみで事実上初めての走行になります。Aグループと一緒に走行しながらコースを徐々に攻略させてもらいました。高低差や小気味良い切り返し、そして複合コーナーが続く外周のレイアウトはなかなか面白いし、250ccのバイクでちょうどよく気持ちよく走れる広さやコーナーの大きさ、なかなか楽しいコースです。

縁石の形が独特なので内側に乗りそうになってしまうことと、路面の継ぎ目が気になる場所がありますが、結構気持ちよく走れますね。本当にそのうち自分のバイクで走ってみたいと思いました。

そんな感じでひたすら先導したり追従したりしながら夕方になってきましたが、20℃という予報はどこへやら、走っているのに少し寒さを感じるようになってきました。そして走行に影響はない範囲ですが、雨粒も時々感じる状況。幸い、ドライコンディションで走行は終了しました。

走行終了後、天気が怪しいということですぐに終了ミーティングが始まり、まとめの話があった後に、私の挨拶の番が来ました。そしてしゃべり始めた瞬間に、雨が降ってきました💦 ちょっと長話できる状況ではなかったので、速攻であいさつを切り上げて解散!となってしまいました。

このブログやYouTubeチャンネルやスクール開催のPRもしたかったのですが、何一つ話せず・・・この日のために色々準備して、ここからブログ運営とスクール企画をぶち上げようと思っていたのに、思いっきり空振りましたw

動画公開についての説明もできませんでしたので、今回は個人がわからないように極力配慮した形での公開とさせていただきます。ぼかしなどで見辛い映像になってしまい申し訳ありませんが、動画のまとめのほうもぜひご覧ください。

お片付け

そんな感じでバタバタと終了した後は、休む間もなくお片付けタイムです。バイクの給油と修理をして格納ということになりますが、今回ひときわ転倒が多かったということで、要修理のバイクが6~8台あったでしょうか。フォークがねじれているもの、ステップが折れたもの、エンジンが不調なもの、アクセルグリップが壊れたもの・・・なかなかの惨状ですが、これはここで直すか次回の朝に直すかの2択らしく、できるものはとにかく直すという感じで作業が続きます。

私は主に、バイクをコンテナに戻す作業をしましたが、これがまたバイクを重ねるかのごとくにギチギチに詰めないと入りきらないとのことで、なかなかの肉体労働でした💦

20数台のバイクと備品をコンテナに収め終えたころには、暗くなっていました。18:30頃だったと思います。この後250kmの移動を経て、家に着いたのは23時でした。かなり過酷な仕事ではありますが、初めての自分たち以外が主催のスクールへの参加はとても勉強になりました。そして新しいコースの攻略も楽しむことができました。

初めてのコースで大丈夫かなと心配だったのですが、思いのほか早くコースのフィーリングをつかんでいる自分がいて、不思議に感じました。終わってから考えてみれば、これまでの仕事では、スラロームコースではありますが、毎回その場で作って走って指導してということをやってきたわけで、その経験が役に立っているんだなと思いました。

とは言え至らぬ部分も多々あったかと思いますが、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。レギュラーのイントラさんが都合が悪い時には、また声がかかるかもしれません。その際にはよろしくお願いいたします<(_ _)>

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