2時間寝坊する!?
2012年1月19日
7時半に出発し、歩いて行こうと思っていたのに、目が覚めたのは8時15分・・・9時にレンタルバイクショップに行く予定なのに・・・。飛び起きて用意していたサンドイッチを食べ、大慌てで身支度をしてチェックアウト。タクシーを呼んでもらいますが、意外に来るのが遅くてジリジリ。
9時10分、今回バイクを借りる予約をしてあった、テ・ワイポウナム・モーターサイクルツアーズに到着。
歩いて行く予定にしていたおかげで、寝坊しても大きく遅れずに済みました。実は「現地初日の朝に寝坊」というのは以前にもやらかしているのです。やはり飛行機での長時間移動や諸手続きの緊張感、不安感などで相当疲労してしまうようです。節約と「タクシーに乗るのが怖い」というしょうもない理由で歩いて行くつもりだったわけですが、4km弱とは言え大荷物を抱えて出だしから余計な体力を使うのは、ツーリングを楽しむという大目的の前に全くの下策ですから、結果オーライということだったと思います。
レンタルバイク店でバウチャーを提示して、手続きを行います。バウチャーとは予約票とか引換券みたいな意味ですが、海外旅行をし始めて初めて接した言葉で、なかなかしっくりきませんでした。
英語での説明を受け、書類へのサインをいくつか求められました。ほとんど理解できないままにサインしていました・・・。よくわからないけれど、とにかく借りれればOKというスタイルですが、「こんなんでだいじょうぶかいな・・・」と頭をよぎります。都合の悪いことは考えない、ハッピー回路を半ば意識的に働かせております。実際のところ、車両トラブルや事故になった時にどうしたらいいのか全く理解していませんでした。でも、それを考えていたら、行くの無理だったです。
英語で電話すらできないのに、どうやってレッカー呼ぶ?警察呼ぶ?場所や状況説明する?トラブルに対処するスキルが身に付くまで行けない?
そんなのイヤだ・・・という無責任極まりない話なんですが、何も起きない前提で突撃しちゃったんですよね。あとから考えると恐ろしいことです。私は結構心配性だと思うのですが、面倒くさがりでもあり、心配事にあまり対処せずに、ただ心配したままで行動してしまう傾向がある気がします。
少し道に迷いながらも、クライストチャーチの市街地を抜けて一安心です。南島第一の都市とは言え、人口40万弱ということで、決して大きくはないので、市内も混雑は無く、すんなりと郊外に出ることができました。
とりあえずNEW WORLD というスーパーマーケットを見つけて入ります。目的は純粋にスーパーマーケットにどんな品ぞろえなのかを見たかったからです。日本のお弁当や総菜に当たるものがあれば、この旅はだいぶ楽になると思ったのです。
結果としては、「パンばっかり」でした。お弁当やおにぎりがあるはずはないですが、ただ無いだけで、代わりのものは売っておらず、菓子パンばかり。かろうじて総菜パン的なものもありましたが、日本のスーパーのようなものは期待できないとわかりました。歯ブラシを忘れたので、ここで購入し、荷物を少し整理し、いよいよ目的地に向けて出発です。
ここでGOPROも取り付けました。このころのモデルはハウジングに入れなくてはいけないので電源供給しながら撮ることも出来ないし、大容量メモリーカードも高価ですから、あまり長く動画を撮るわけにはいきませんでした。そして電源と録画スイッチが別だったため、映像を撮りたいと思ったところで瞬間的に録画を開始することができず、もどかしかったのを覚えています。
荷物はパニアケースに宿泊関係、リュックに貴重品やカメラなどを入れていましたが、100円ショップで買った自転車用荷物紐が早速切れかかっているのを発見してしまいました。貴重品を入れたカバンを道路に落としたりしたら一大事です。
旅行用品て妙に高額だよなと思っていたのですが、靴にしてもカバンにしても、道具が一つダメになることで、大事な旅行の時間を修理や余計な買い物に費やすことになるばかりか、下手をすれば予定していたことが出来なくなったり、旅行を続けられなくなったりすることすらあるのだから、こういう時こそしっかりした道具を選ばないといけないんだなと思い知った次第です。
いや、実はオーストラリアで同じ思いをしていたのですが、懲りていなかったといったほうが良いかもしれません。そう、その時にダメになったのが、たった今例に挙げた靴とカバンでした・・・。
15日間のツーリングの始まり!
スーパーを出て、やっとツーリングに集中できる状況になりました。
郊外の開けた一本道に出て、私は嬉しさのあまりヘルメットの中で、「うわぁぁぁぁ!ヤッタぞ!!!!」と叫んでいました。
自分で運転して、好きなペースで好きな方向に行けるし、いつ止まってもいい。この自由さ、解放感!!
「海外で自由気ままなツーリングをする」ということを目標に、単独海外旅行から始め、ガイド付きのツーリングなどを経験して段階を踏みました。数々の不安やハードルを乗り越え、目をそらし(汗)、ここまで来ました。無事完走して帰国できるかどうかわかりませんが、ともかく、「自分だけで走る!」が達成できた瞬間でした。
ツーリングの醍醐味の一つは、流れゆく、変わりゆく未知なる風景です。何気ない田舎道の景色かもしれませんが、日本ではない国の知らない道で、この先どんな景色が広がるのかと思うと、ワクワクが止まりません。
しかしながら、そんな楽しさの一方で、思ったより過酷な環境でもありました。まず、気温が15℃くらいでしょうか、夏だと思って来たので結構寒く感じます。そしてハンドルを取られるほどの強風が吹きつけ、さらに花粉が飛んでいるようで、くしゃみが出ます。
「たまたまだろう、きっとそうだろう」と期待しながら、頑張って走り続けます。
途中で川の近くを通る場面がありましたが、風で水が舞い上がっているのかと思うような靄が出ております。ちょっとこれはなかなかハードだと思いながら、頑張りました。
スーパーを出てからかれこれ2時間半ほど走って、ジェラルディンという街に到着しました。
ここで初給油、手順は大丈夫か、油種は合っているか、クレジットカードは決済できるか、などなど不安はあったのですが、あっけなく完了です。これから何度もやらなくてはいけないので、また一つ心配を解消できました。
8.85L、ここまで約180km走って、燃費は20km/Lというところのようです。このバイク、メーターがマイル表示で、内側に一応青でkm/hの表示もあるのですが、とても見辛いし、頭がこんがらがりました。
14時、同じ町の道路沿いにあるサブウェイに入ります。バイクをどこに止めたらいいのかと思いましたが、車が路駐していたので同じようにしました。不安なので見えるところで食べます。今回なピザドッグ、ハーフサイズにしました。
ガソリンもお腹も満たして、ご機嫌で本日の目的地へ向かって走り出します。
昼食後のルートは幸いにも風も治まり、気温もそこそこ上がって快適になってきました。
すべての景色が新鮮で、何かというと止まっては写真を撮りました。開けた感じは北海道に似ていますね。
そして、遠くに見えていた山々が徐々に近づいてきます。
第一の目的地 テカポ湖に到着
16時。ついに見えてきました。本日の目的地、レイクテカポ!!
最初の目的地に到着!!と、一つ一つが私にとって「初達成」の出来事です。湖が見えてきたときには再び震えながら雄叫びを上げていました💦
テカポ湖のこの色、嘘みたいな綺麗な色です。氷河の影響だそうですが、私は下調べをロクにしていないので、理解不能。目がおかしくなっているんじゃないかと思いながら、現実感のない綺麗すぎる景色に、ただただ驚き、ひたすらシャッターを切りました。
ひとまず景色を眺めた後は、まずは寝床の確保です。
予定のない気ままな旅ですから、止まる場所も当日探します。一応旅行会社の人には、「宿はたくさんあるから大丈夫でしょう」とアドバイスはもらっています。湖畔のちょっとした街のような小さなエリアをぐるっと回って、B&Bの門をたたきました。
「ドゥユーハブエニベイカンシーズ?」と、調べてきた英語で確認。宿泊料は8千円ちょっと、正直5千円以下に抑えたかったのですが、ツーリング初日ですからちょっと贅沢することにしました。というか、料金を聞いた後に「やっぱいいです」って断る英語がわからなかったのですが💦
ビジネスホテルみたいなところに泊まりたかったのですが、海外ではそういうジャンルはない?のか限られているのか、しっかりしたリゾート的なホテル(1万円以上)か、ドミトリーという相部屋の安宿(3千円くらい)で、中間的な宿泊施設がなかなかみあたらないのです。その中で、B&Bは朝食付きの民宿という感じで、希望よりはお高めですが、妥協できる価格帯でした。しかし、毎日8千円超はキツイというのも事実。この後が悩ましいです。
とりあえず宿を確保したので安心して湖畔の散策に出ます。ガイドブックに載っている有名スポットをとりあえずおさえた後は、適当に湖畔の道を進んでいきます。
この写真は私のデスクトップの壁紙にしています。
数々のツーリングをしたなかでも、もっとも心に残っている景色です。
綺麗とはいえ、ただの道端からの景色と感じる人もいると思います。私にとって「バイク」と「道路」は未知なる世界への扉のようなもの、それに「絶景」というこの3要素、そして青空とさえぎる物のない解放感。私がツーリングに求めている最高の瞬間が凝縮されています。そして日本からここまでたどり着いた過程があるからこその感動でもあると思います。
しかしながら、旅の疲れと花粉とで若干調子が悪くなってきました。
夢のような景色の中を走り続けたくもありましたが、そろそろ翌日に備えなくてはなりません。
20時、湖畔のドライブインのようなエリアに戻り、簡素な店でフィッシュアンドチップスを購入。
湖畔で景色を見ながらいただきます。揚げたてでおいしかったですが、ポテトと魚のフライだけというのは味気なくもあります。
21時、まだまだ明るいですが、B&Bに戻って翌日に備えます。
この日の走行距離は326km。この時はまだスマホやグーグルマップという時代ではなく、トレッキング用のGPSにネットでダウンロードした無料の地図を入れてナビ代わりにしていました。これのメリットはネット接続が不要ということですが、今思うと良くこれでで走れたなという感じです。
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