Moto3
高速サーキット、そしてシーズン中もっとも1周が長いシルバーストーンサーキットということで、Moto3クラスはいつにも増して1周の中で何度も順位を入れ替える激しい展開でした。
そんな中、好調の佐々木選手や鈴木選手がトップグループの上位で激しいバトルを繰り広げてくれて優勝も期待していたのですが、終盤に接触転倒…なんでこれだけ台数がいる集団で日本人が…と思ってしまいます。いつもトップグループにいるのに、脱落したり最後に順位を下げることが多くてもどかしくもあります。
しかしそれは日本人だからこその見え方なのでしょうね。ランキングトップを争う、ガスガスアスパーチームの二人もリタイヤという波乱の展開もありましたし。
そんな中、一時期ランキングトップに居ながら今はランキングを下げていたフォッジャが優勝。マシアが予選21位からの2位、レース中は終始後方にいた鳥羽選手が4位、予選初フロントローからスタートだった山中選手も、レース中は後方の順位でしたが、6位まで盛り返していました。
正直、この状況で上位でバトルすることに意味があるのか💦と疑問に思ってしまうところもあります。序盤中盤に15位や20位であっても、最終的に優勝や上位入賞が出来てしまうわけで、結果だけを考えたら、むやみにバトルをしないで後方でおとなしくしているほうがアクシデントに巻き込まれる確率が低く、タイヤも温存できる気がします。
それでも激しく戦うのは、Moto3がステップアップを目指すカテゴリだということもあるのでしょうね。上位を走って速さやバトルの上手さをアピールすること、そしてバトルの経験を積むことも大事な要素なのだと思います。下のクラスで同じようにトップライダーでも、ステップアップした後に結果を出せるライダーと埋もれてしまうライダーに分かれますが、「ステップアップを目指した人」と「そのクラスで結果を出そうとした人」の差という部分もあるのかもしれないと思います。
とは言えみんな若いですので、細かいことを考えず、闘争本能のままにバトルをしているようにも見えますが💦
そして、これだけごちゃごちゃで途中の順位なんか関係ないかのように最終順位が決まっていくにも関わらず、不思議と有力ライダーがいつも上位に来るというは、結局どこかで違いを出しているということなんですよね。そんな部分を観察するのも面白いとは思いますが、正直、ごちゃごちゃ過ぎてわけがわかりません。
混戦の中で、運の要素も大きく見えてしまうMoto3クラスですが、間違いなく5年後くらいにはこの中の誰かがMotoGPクラスでタイトル争いをしているはずです。これらの選手が大物になったときに、「〇〇のころからこうだったから凄い」みたいな話にはずで、そんな煌めきを探す目線で見ていると面白いのかなと思いました。
まぁ、「〇〇だったから凄い」とかは、結果を残したうえでの単なる後からの理由付けだったりする気もしますが💦
Moto2
期待の小椋選手、予選3位と好調で、序盤もトップに立ったりと、序盤イイ感じだったのですが、中盤にかけて少しペースが苦しかったようで、少しずつ順位を下げて5位を走行。
ただ、そのままずるずる落ちて行かないのが小椋選手の良いところですね。最後までくらいついて、最終ラップ、カネットに戦いを挑んで、4位を奪い返しました。最後まで期待させてくれる走り、今後が楽しみです。
レースはアロンゾ・ロペスが好調で独走気味でしたが、やはり後半戦最有力とみていたアウグスト・フェルナンデスが最終ラップで逆転して優勝。
ここまでランキングトップを走ってきたビエッティは8位。あまり調子がよくなさそうな中で、粘り強さはさすがだと思いましたが、苦しい戦いになることが多い中盤戦でした。
小椋選手、イイ感じではありますが、タイトルに向けてはもっと優勝が欲しいところですね。
MotoGP
ポールポジションのザルコ、今回こそ優勝を見れるか?と期待したのですが、序盤で単独転倒。残念。速いのに勝てない人、たまたま調子が良い時に勝ってしまう人、差は何だろう💦
プラクティスで好調だったエスパルガロはFP4での転倒の影響か、徐々に順位を下げる。レース後の再検査で骨折していたことが分かったそうで、よく走れたものです。
同様に、ランキングトップのクアルタラロもやや劣勢。リアタイヤをミディアムにしたせいでオーバーヒートが酷かったとのこと。
得意のシルバーストーンで好調だったスズキのリンスも、序盤にタイヤを使い過ぎたらしく、順位を下げていきました。
プラクティスとは逆に好調だったのがドゥカティ勢で、結局バグナイアが優勝。ミラーが3位、バスティアニーニもプラクティスでは全然パッとしなかったのに4位、5位にマルティンと、上位をドゥカティ勢が占める意外な結果でした。土曜日までと日曜で、気温などのコンディションの変化があったんでしょうかね。
唯一プラクティスからの好調を維持したのがアプリリアのビニャーレス。最後バグナイアに追い抜きを仕掛けるも、惜しくも2位ということで、ヤマハを辞めてからずっと苦しんできたけれど、いよいよ本来の速さを発揮し始めましたね。
シリーズ的には、予想していた通り後半に向けてバグナイアがポイントを稼いでいきそうな勢いですが、さてどうなるか。
私としてはクアルタラロに2連覇してほしい気もするけれど、ラストチャンスかもしれない苦労人アレイシ・エスパルガロのタイトル獲得も見たい気もするし、バグナイアがタイトルを取って、クアルタラロとの対等なライバル関係を確立していくのも面白いですし、どうなるか楽しみです!