ジムカーナ スクール

2023年はジムカーナ挑戦します

昨年、友人の林さんがGSX-S750でジムカーナに挑戦することになり、私のYouTubeチャンネルで挑戦企画としてもスタートしたのですが、案の定見ているうちに自分も走りたくなってしまいました。そんなわけで、この記事は車両購入から1回目の練習会参加までのまとめです。

ジムカーナとの距離感

私はかつてはカートを本格的にやっていましたし、ミニバイクレースや「もて耐」「DE耐」などに参加するなど、レースに出るのが好きでした。ツーリングや海外旅行がメインの趣味になってからも、ショートコースやロードコースでスポーツ走行を楽しんでいましたが、ただ走るだけじゃなくて何か目標をもって取り組みたい、何か競技をやりたいと思ったことが何度かありました。
候補としてトライアル、モタード、モトクロス、エンデューロ、ロードレースなどいろいろ浮かんだ中で、ジムカーナも考えたました。
しかし、仕事でもスラローム走行などをやっている中で、タイトな小旋回が連続するようなコースは好みではなく、8の字どころか「回転」まであるジムカーナにはまるだろうか、辛くなってしまうんじゃないかという気もしました。そして何より、あの複雑なコースを覚える自信が無くて、結局ジムカーナに挑戦する一歩を踏み出すことはありませんでした。

転機となった一つ目は、2022年5月に参加した「トリッカーミーティング」でジムカーナコースを初めて体験したことです。ジムカーナコースとしては短めだったかもしれませんが、何とか覚えることが出来たし、タイムを測って走るのは楽しかったです。そして何より、なんだかまぁまぁ良い感じで走れてしまったことが大きかったかもしれません。

二つ目は、私が主催したスクールを手伝ってくれたことをきっかけに、林さんがジムカーナ挑戦を決めたことです。新しい世界に踏み込むのはいつも勇気がいるもので、何度となく二の足を踏んできましたから、今回は一緒に乗っからせてもらうことにしました。

長年スラローム系のスクールのインストラクターをしてきたわけですが、安全運転のスクールと、競技であるジムカーナはやはり違います。そしてジムカーナに関する知識はほぼゼロからのスタートです。ルールもクラス分けも全然知らないところからのスタートです。
ただ、バイクを運転する技術という点ではもちろん共通しますから、これまでの経験がどこまで通用するのか、そしてどれくらい新しい技術を身に付けて進歩していけるのか……久しぶりに競技に出るというのも楽しみです。

車両

ジムカーナは「この車両じゃないとできない」という縛りはかなり緩く、何だったら公道用の車両なら何でもいいという勢いです。今持っているバイクでやってみることも出来ます。しかし、適さない車両で苦労すると嫌になってしまうかもしれないし、競技なら結果が出やすい車両のほうが良いに決まっています。それと、今持っている車両は競技で傷めたくないということもありました。

一方でお金をたくさん掛けることはできません。できるだけコストを抑えつつ乗りやすそうな車両はないかなと探していきついたのがKTM 390DUKEです。

まず何より中古価格が安い。この中古車高騰のご時世に、20万円台中盤で買えてしまいます。なぜでしょう…不具合でもあるのかと、不安になるほどです。検索した限りではわかりませんでしたが…

250クラスの軽さと400クラスのパワーを持ち、中型なのでタイヤやオイル、部品などのランニングコストも大型と比べると抑えられるはずということで、なかなかバランスが良いのではないかと思いました。不安なのはジムカーナであまり見かけない?ということでしょうか。乗りやすければVTRやNSRのように、多くの人が使うはずなので。

そんな不安はありましたが、考え続けても仕方ない。まぁとにかくやってみようということで、最後は勢いで買いました。

初走行

登録抹消してある車両を購入したので公道で乗ることが出来ず、とりあえず北ショートコースで乗ってみることにしました。
装着されているタイヤ(α14)の手触りがあまりにもカチカチになっていたので、不安で一杯でした。せめてもう少し暖かい気温で走りたかったのですが、季節がらどうにもならず、春まで待ってもいられないので走ってみました。

タイヤに関しては先入観からの不安もありましたし、なかなか感触も掴めず、そもそもどのタイヤでもあてにできないような低温になっていましたから、慎重すぎるくらいに慎重に、少しずつ少しずつバンク角を増やしていく作業でした。膝をするまでに何周かかったか… ここまで傾けられないのはちょっと情けない思いもありましたが、いきなり転びたくないという一心でした。

最終的には少し楽しくなり始めたところでチェッカーとなりました。

まだ滑るところまではいきませんでしたが、この時期は滑ったと思ったらあっという間に転倒ということもありますので、限界を探るのはやめておきました。正直50秒は切りたかった気持ちはありましたが、そこはぐっとこらえました。

感想としては、北ショートで走っても楽しそうです。タイムもどこまで出るかやってみたいですね。気になったことは、この時点ですでにフロントブレーキがちょっと物足りない感じがしたこと。また、シフトタッチが若干ふにゃっとしていて、ギア抜けすることがあったのが怖かったです。それと、ライポジがサーキット走行にはしっくりこないなと思いました。

とりあえずシェイクダウンとして、問題なく走れたのでOKです。

初練習会 119.7%

結局シェイクダウンのあとはまた走る機会もなく、ジムカーナコースにデビューすることになりました。もう少し緩めの練習会で、8の字などでじっくりと感触を掴んだり、ライポジを調整してからのほうがよかったのではないかという気もしましたが、なかなかそういう場ってないものですね。それこそまた、自分でスクールなり練習会なりを開催出来たらちょうどよかったのにと思いました。

参加するのは「ウミガメ練習会」というジムカーナの練習会です。

ただし、普通に参加するためには「自分がどのくらいのペースで走れるのか」が分かっていないといけないようです。また、ジムカーナコースを走ったことが無い場合も、いきなり一般参加はマズいようです。トップタイム比で〇〇〇%以内というものを計測したことが無かったのですが、正直150%以内というのは達成できるのでは?という舐めた気持ちもありました。しかし、初めての人は体験参加からということで、体験に申し込んだのですが、結果としては大変勉強になり、とても良かったです。

体験参加は昼の20分ほどの1セッションだけですが、1000円という格安で、3人という少数で走ることが出来るという参加枠になります。しかもそれだけではなく、コースの覚え方や8の字、回転の練習とレクチャー、質疑応答タイムなどもあり、盛り沢山でした。コース走行でもたくさんの方がサポートしてくれて、これからジムカーナを始めようとする人を大事にし、ジムカーナを盛り上げていこうという心意気が伝わってきました。

走行の方ですが、まずバイクに慣れるところからとなり、走り始めはかなり戸惑いました。このバイクでの回転も初めてでしたが、以前トリッカーでやった時よりも安定して出来た気がします。とりあえず、「とてもやり辛い」という状態ではなかったことに一安心です。

回転に関しては、「パイロンの穴を見て回れ」、「出口への視線移動を早めに」という指導でした。回転に関しては本当にド初心者なので、具体的な指示がありがたかったです。8の字でも気になっていたのですが、私は左回りが苦手だということが明らかになってきました。

コースを覚えることに関してですが、まずコース図をしっかり頭に入れたうえで、コース図を見ずに歩きます。見ながら歩いていると覚えられないし、一方で紙で覚えただけだと、実際にパイロンを前にすると「どっちだっけ?」となってしまうので、実際にバイクに乗っているイメージをもって歩いてみるのがとても大事だと感じました。

また、ジムカーナ独特の「通る方向だけ指定されていて、順番やルートは任意」というセクションもあり、なかなか混乱させられました。ただ、基本的に赤いパイロンは右ターン、青いパイロンは左ターン、どちら回りも共有しているものは黄色(?)という風に法則が決まっているので、それも意識しておけば一瞬忘れても何とかなるかもしれません。

いよいよ昼からのコース走行となりましたが、予報に反して雨が降ってきてしまい、結局フルウェットの路面となってしまいました。タイヤが不安な私は「寒いウエット路面」という最悪のコンディションにかなり気持ちが萎えたのですが、タイヤも路面も意外とグリップしてくれてその点は大丈夫でした。

1周目、かなりイメージトレーニングはしたのですが、やはりコースミスが2カ所ありました。しかし、2周目で無事、正しく走ることが出来ました。同時に2分を切ることも出来たので、とりあえず150%以内という条件はクリアできたようです。3周目もまだコースを間違うかもしれないという意識はありましたが、4周目くらいからはコースの順路よりも走りの改善を意識できるようになった気がします。

惜しくもゴール前でエンストしてしまうということもありましたが、順調にタイムを削っていくことが出来ました。今回は路面状況が悪かったこともあり、とにかく旋回時間を短くするために、減速をしっかり行うことと繋がりをスムーズにすることを意識し、バンク角は無理はしないことにしました。結局トータル7周走って、記録はトップ比119.72%という結果になりました。これは直前の路面がぬれ始めた時のAグループのタイムを基準にした計算でしょうか。120%を切るというのは体験参加という中ではなかなか良い結果だったようです。

これまでジムカーナをしている人が〇〇〇%が切れないとかつぶやいているのを聞いたことはあったのですが、それがどれくらいのものなのか全然わからなかったのですが、これで、少しレベル感が分かってきた気がします。次は115%切りを目指すと言いたいところですが、まずはドライでどのくらいだせるのか、走ってみたいですね。150%が切れたら午後は一般参加することも出来るということだったのですが、この日はそのまま雨模様だったので、ここまでにしました。

実は私は雨の用意を全くしていませんでした。予報を信じ切っていたというよりは、北ショートに走りに行くのと同じ感覚だったので、「雨でも走る」という考えが全く浮かんでいなかったのです。でもジムカーナは雨でもやるんですから、練習だって雨でもしますよね…

そんな感じで、コンディションはハードでしたが、思いのほか楽しく走れて、記録もまぁまぁなデビューとなりました。もうちょっと暖かい気温で走りたいところですが、まだまだ寒い時期。でも春まで待っても居られないので、どんどん練習の機会を持っていきたいと思います。

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